講演情報

[P123]トウモロコシデンプンゲルの老化への水分率の影響

*高峰 捺希1、大場 正春2、前林 正弘3 (1. 名城大・院・農、2. 名城大、3. 名城大・農)
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キーワード:

熱測定、示差走査熱量測定、再糊化、結晶化

【目的】普段我々が口にするデンプン性食品の多くは,加熱調理によりデンプンを糊化させたものである.それらを糊化温度以下で保存すると老化が進行して食感が劣化する.老化の原因として,デンプンの離水や結晶化などの構造変化が挙げられ,熱分析や各種分光法などを用いた研究がなされている.デンプンゲルの糊化,老化,再糊化は,水分率や加熱時間,保存時間の影響を大きく受けることから,詳細な検討にはこれらの条件を精密に制御した測定が求められる.本研究では,水分率60~80%のトウモロコシデンプンゲルについて,熱分析を中心に老化に対する水分率の影響を調査した.
【方法】試料はトウモロコシ由来デンプンと純水である.目標水分率を60~80%として,3種類のデンプンと純水を適量混合した総重量15 gのデンプン懸濁液を調製し,蒸し器で加熱しでデンプンゲルとした.DSC測定には,(株)リガク製DSC8230を使用し,Ag製密閉セルに約40 gの試料を封入した後,測定開始まで25℃で最長約400時間保存した.温度測定範囲は10~130℃,昇温速度は1℃/minである.調製後の水分率測定には,A&D(株)製加熱乾燥式水分計MS-70を使用した.
【結果・考察】水分率77.9%の試料では,すべての保存時間内では再糊化による吸熱ピークが見られなかった.71.4%と60.1%の試料では,保存時間約150時間以上で吸熱ピークが見られ,低水分率ほど同じ保存時間での吸熱量が大きかった.これらの水分率では,高水分率ほど,調製後に再糊化による吸熱ピークが見られない期間が長い傾向にあった.Kibarら(Int. J. Food Prop., 14(5) 2011)が提示した結晶化過程と結晶成長における核生成モデルに基づくと,高水分率ほど吸熱ピークが見られない時間が長いことから,核形成過程では老化初期に起こる微結晶形成が可逆的であり,この反応は熱収支をほとんど伴わないことを示唆した.発表では,ほかの熱量測定の結果と併せてデンプンゲルの老化への水分率の影響について議論する.

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