講演情報

[P140]低温増殖性芽胞形成細菌に感染するバクテリオファージの分離と性状

*髙田 冴花1、山木 将悟1、山﨑 浩司1 (1. 北大院水産)
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キーワード:

バクテリオファージ、芽胞形成細菌、Paenibacillus属細菌

【目的】コールドチェーンの発達に伴い,低温増殖性細菌による食品の腐敗・変敗が問題となっている.芽胞形成細菌であるPaenibacillus属には,低温で高い増殖能力を示す種が知られており,効果的な制御法の確立が必要である.本研究では,バクテリオファージ(ファージ)とファージ由来溶菌酵素の応用による制御法の確立を目的とし,P. terraeに感染するファージを分離し,その性状分析とゲノム解析を行った.
【方法】P. terrae No.9を供試菌株とし,Tryptic Soy Brothを用いて30℃で18 h培養後,実験に供した.P. terraeに感染する4株のファージ(PT2~PT5)を土壌から分離し,当研究室で過去に分離されたファージPT1と共に宿主域とプラークサイズに及ぼす二価カチオンの影響を調べた.さらに,ファージPT1,PT2,PT4は,透過型電子顕微鏡(TEM)観察と一段増殖試験を行い,ファージPT2とPT4についてはゲノム解析を行った.
【結果】宿主域分析の結果,いずれのファージもP. terrae 2株とP. polymyxa 1株にプラークを形成した.また,各ファージは二価カチオンの添加によりプラークサイズが増大したため,二価カチオンにより感染が増強されることが示唆された.TEM観察の結果,はいずれも頭部と非収縮性の尾部からなる構造であった.一段増殖試験ではいずれのファージも潜伏期が90分間となり,類似したファージであることが示唆された.ゲノム解析により,PT2とPT4はそれぞれゲノムサイズ約64 kbp,約66 kbpの新種のファージであることが明らかとなり,溶菌酵素をコードすると予想される遺伝子の存在も確認した.以上より,本研究ではPaenibacillusファージを微生物制御へ活用するための一助となる知見を得た.

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