講演情報
[3Aa01]キチンナノファイバー添加による食品多糖類およびタンパク質のゾル-ゲル転移点とゲル強度の変化
*田嶋 紅音1、南部 優子1、松村 康生2、谷 史人1、松宮 健太郎1 (1. 京大院・農、2. 京大・生存研)
キーワード:
ゲル、キチンナノファイバー、多糖類、タンパク質
【目的】 キチンナノファイバー(ChNF)は, 様々な生理機能性を有することが知られている. しかしながら, それ自身には, ある種の食品多糖類が有するゲル化性は備わっていないため, 食品分野への応用展開は進みにくい状況である. 本研究では, ChNFが他の素材のゲル化性を変化させる能力があるかどうかを検討するとともに, ゲル化性の変化が起こるメカニズムについても考察した.
【方法】 ChNFはカニ甲羅由来のマリンナノファイバー社製のものを使用した. ゲル化素材は, 食品多糖類として寒天, κ-カラギーナン, カードラン, タンパク質としてゼラチン, 乳清タンパク質, 卵白タンパク質を供試した. これらを水に溶解し, そこにChNFを添加した. 各ゾルのpHを4~6に調整し, 加熱または冷却によりゲル化させて, 目視によるゾル-ゲル転移点測定と, ゲル強度測定を行った. また, クライオ電子顕微鏡法により, 微細構造の観察を行った.
【結果】 寒天, κ-カラギーナン, カードラン, ゼラチンについては溶液を冷却して形成したゲルを昇温し, ゾルに転移する温度を観察した. カードランはChNF添加によりゾル化温度は変化しなかったが, 他の3種類のゲルはゾル化温度の上昇がみられた. ChNFの添加効果はpHに依存しなかった. 乳清タンパク質と卵白タンパク質の加熱ゲル化におけるゾル-ゲル転移点については, ChNF添加による明瞭な変化は観察されなかった. これらの結果より, ChNF添加によるゾル-ゲル転移点の変化は, 多糖類とゼラチン分子が形成するらせん構造に, 静電相互作用によるさらなる架橋点の形成が促進されることにより, 引き起こされたものと考えられる. また, ChNFの添加により, 寒天ではpH5の時, ゼラチンではpH4の時ゲル強度が向上した. 一方, ゼラチン, 乳清タンパク質, 卵白タンパク質は, それぞれ特定のpHでゲル強度が低下した. これらの結果より, ChNF添加によるゲル強度の変化は, 架橋点の数および架橋された分子間の距離, あるいは規則正しいネットワークの形成阻害などのバランスによって決まると考えられる. これらを踏まえ, 微細構造の観察をもとに, ゲル化性の変化が起こるメカニズムについて分子レベルで考察した結果を報告する.
【方法】 ChNFはカニ甲羅由来のマリンナノファイバー社製のものを使用した. ゲル化素材は, 食品多糖類として寒天, κ-カラギーナン, カードラン, タンパク質としてゼラチン, 乳清タンパク質, 卵白タンパク質を供試した. これらを水に溶解し, そこにChNFを添加した. 各ゾルのpHを4~6に調整し, 加熱または冷却によりゲル化させて, 目視によるゾル-ゲル転移点測定と, ゲル強度測定を行った. また, クライオ電子顕微鏡法により, 微細構造の観察を行った.
【結果】 寒天, κ-カラギーナン, カードラン, ゼラチンについては溶液を冷却して形成したゲルを昇温し, ゾルに転移する温度を観察した. カードランはChNF添加によりゾル化温度は変化しなかったが, 他の3種類のゲルはゾル化温度の上昇がみられた. ChNFの添加効果はpHに依存しなかった. 乳清タンパク質と卵白タンパク質の加熱ゲル化におけるゾル-ゲル転移点については, ChNF添加による明瞭な変化は観察されなかった. これらの結果より, ChNF添加によるゾル-ゲル転移点の変化は, 多糖類とゼラチン分子が形成するらせん構造に, 静電相互作用によるさらなる架橋点の形成が促進されることにより, 引き起こされたものと考えられる. また, ChNFの添加により, 寒天ではpH5の時, ゼラチンではpH4の時ゲル強度が向上した. 一方, ゼラチン, 乳清タンパク質, 卵白タンパク質は, それぞれ特定のpHでゲル強度が低下した. これらの結果より, ChNF添加によるゲル強度の変化は, 架橋点の数および架橋された分子間の距離, あるいは規則正しいネットワークの形成阻害などのバランスによって決まると考えられる. これらを踏まえ, 微細構造の観察をもとに, ゲル化性の変化が起こるメカニズムについて分子レベルで考察した結果を報告する.
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