講演情報
[3Aa04]融点の異なる魚ゼラチン混合ゲルの構造と物理的特性及びゲル形成機構
*松川 真吾1、高角 楓2、 村上 芽生3、新田 陽子4 (1. 海洋大・食品生産科学、2. 海洋大・院・ 海洋科学技術、3. お茶大・院・人間文化創成、4. お茶大・基幹研究院)
キーワード:
魚ゼラチン、混合ゼラチンゲル、レオロジー、熱的性質、微粒子追跡法
【目的】
近年,健康や宗教上,水産資源有効活用などの理由から,哺乳類ゼラチンの代替として魚ゼラチンが注目されている.特に,寒冷海域魚種由来のゼラチンは,融点が低いために口当たりが良く,食品のテクスチャー設計の幅を広げることが期待されるが,物理的強度が低いため用途に制限がある.本研究では,融点の異なる寒冷及び温暖水域魚種由来のゼラチンを混合し,滑らかな口どけ感の設計を目指すと共に,その背景にあるゲルの物理的特性とゲル形成機構を解明することを目的とした.
【方法】
寒冷海域魚種の鱗由来のゼラチン(低融点,以下OFS)とティラピアの鱗由来のゼラチン(高融点,以下TS)の粉末を60℃で溶解して溶液試料を調製した.動的粘弾性測定及びマイクロDSC測定では,60℃の溶液試料を1℃/分で降温及び昇温した.マイクロDSC測定では,降温後,DSCセル内において5℃で一定期間保存した試料の昇温測定も行った.微粒子追跡では,1.1μmの蛍光微粒子を添加した溶液試料を冷却・保存した後,昇温時の微粒子の挙動を蛍光顕微鏡で観察した.
【結果】
動的粘弾性測定
混合ゲルにおいて,二段階に弾性率が低下する挙動が見られた.2つの独立した高次構造が別々に融解していると考えられる.
マイクロDSC測定
混合ゲルにおいて,保存初期に,OFSとTSの融解ピークに対応する2つの小さなピークが見られた.一方で,保存後には,各ゼラチンの融解ピークの中間に位置する1つ大きなピークが見られた.冷却直後に高次構造を形成していなかったOFSとTSのゼラチン鎖が,保存中に合同で高次構造を形成したと考えられる.
微粒子追跡
低温では,全ての試料で微粒子の運動が抑制されていた.OFSとTSゲルでは,それぞれの融解温度付近で微粒子が拡散を始めた.混合ゲルでは,保存期間に関わらず,TSゲルの融点付近で微粒子の拡散が見られた.冷却直後から保存中にかけて,1.1μm程度の網目構造は主にTSゼラチン鎖が担っていると考えられる.
近年,健康や宗教上,水産資源有効活用などの理由から,哺乳類ゼラチンの代替として魚ゼラチンが注目されている.特に,寒冷海域魚種由来のゼラチンは,融点が低いために口当たりが良く,食品のテクスチャー設計の幅を広げることが期待されるが,物理的強度が低いため用途に制限がある.本研究では,融点の異なる寒冷及び温暖水域魚種由来のゼラチンを混合し,滑らかな口どけ感の設計を目指すと共に,その背景にあるゲルの物理的特性とゲル形成機構を解明することを目的とした.
【方法】
寒冷海域魚種の鱗由来のゼラチン(低融点,以下OFS)とティラピアの鱗由来のゼラチン(高融点,以下TS)の粉末を60℃で溶解して溶液試料を調製した.動的粘弾性測定及びマイクロDSC測定では,60℃の溶液試料を1℃/分で降温及び昇温した.マイクロDSC測定では,降温後,DSCセル内において5℃で一定期間保存した試料の昇温測定も行った.微粒子追跡では,1.1μmの蛍光微粒子を添加した溶液試料を冷却・保存した後,昇温時の微粒子の挙動を蛍光顕微鏡で観察した.
【結果】
動的粘弾性測定
混合ゲルにおいて,二段階に弾性率が低下する挙動が見られた.2つの独立した高次構造が別々に融解していると考えられる.
マイクロDSC測定
混合ゲルにおいて,保存初期に,OFSとTSの融解ピークに対応する2つの小さなピークが見られた.一方で,保存後には,各ゼラチンの融解ピークの中間に位置する1つ大きなピークが見られた.冷却直後に高次構造を形成していなかったOFSとTSのゼラチン鎖が,保存中に合同で高次構造を形成したと考えられる.
微粒子追跡
低温では,全ての試料で微粒子の運動が抑制されていた.OFSとTSゲルでは,それぞれの融解温度付近で微粒子が拡散を始めた.混合ゲルでは,保存期間に関わらず,TSゲルの融点付近で微粒子の拡散が見られた.冷却直後から保存中にかけて,1.1μm程度の網目構造は主にTSゼラチン鎖が担っていると考えられる.
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