講演情報
[3Bp06]豆乳成分を添加したことによるパンの物性変化と品質向上の一考察
*佐藤 理子1、足立 典史2、柳澤 昌伸2、柴田 雅之2、櫻田 早由利2、中村 彰宏1 (1. 茨城大・院・農、2. 不二製油(株))
キーワード:
パン、豆乳、乳化物、物性、品質評価
【目的】小麦粉は人類の主要な食糧原料であり, 日本でもパンの食文化の定着により消費量が増加した. 近年の消費者の健康志向の高まりから豆乳を添加したパンの商品化が試みられている. しかし, 豆乳を添加した場合, パンの膨化率の減少と生地の硬化が認められるため乳化剤や乳化油脂を併用することが多い. 本研究では乳化剤等を使用せず簡潔な作業での高品質な豆乳添加パンの開発を最終目的とし, 豆乳の添加によるパンの物性の変化とその関与成分の明確化, 豆乳成分と小麦成分の相互作用やその作用機序の解明を目的とした. 【方法】無調整豆乳(SSM)並びに豆乳クリーム(SC)と低脂肪豆乳(LFSM)を用いて食パンを焼成し, 豆乳無添加パンと比較検討した. 焼成時の膨化率, パンの組織, 焼成直後の物性と常温保存後の物性変化を評価した. 物性はレオメーターを用いて押し込み荷重と復元率を測定した. 保存によるデンプンの老化度はDSCを用いて測定した. 食感と密接な関係にある水分量は乾燥重量法で測定した. また, 作製したパンを20℃で保存し, D+1とD+3に官能評価を行って食味と食感の数値化を試みた. 【結果】SSMを9%添加した食パンは, 焼成したパン生地の硬化が確認された. その機能発現成分を調査するため, LFSM並びにSCを1~11%添加したパンの評価を行ったところ, 成分中のタンパク質や脂質による物性変化が認められた. その挙動は両者で異なり, LFSMは膨化率を3~6%上昇させるが物性に影響を与えず, SCは膨化率を3~4%上昇させた上, 荷重を最大で約1N減少させてパンにソフトな食感を与えた. 豆乳の構成成分である分離大豆タンパク質(SPI)並びに大豆油(SO)を添加したパンの評価により, 膨化率の上昇はLFSMとSC中のタンパク質や脂質の効果だが, 物性の変化に影響を与えないことから, タンパク質と脂質が乳化物として存在することが物性変化において重要である可能性が示唆された. また, いずれの配合においてもデンプンの老化抑制効果は認められなかった.
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