講演情報

[3Gp08]ウイスキー樽内で熟成したコーヒー生豆の香気成分変化

*佐藤 美夢1,2、芦野 祐尋1,2、赤塚 宏之3、三浦 茂3、中村 明子3、小倉 立己1 (1. 慶大・先端生命研、2. (公財)庄内地域産業振興セ、3. (株)東北萬国社)
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キーワード:

バレルエイジドコーヒー、香気成分、熟成

【目的】コーヒーの香気成分は,品種や焙煎方法など様々な要因によって生み出される.近年ではコーヒー生豆を加工して香りを変化させる方法も開発されている.その一つに,コーヒー生豆をウイスキー貯蔵後のオーク樽に入れ,熟成させることで香りを移すバレルエイジドコーヒーがある.しかしながら,この熟成過程における香気成分や品種による影響については明らかにされていない.本研究では,ウイスキー貯蔵後の樽を用いてコーヒー生豆の熟成試験を実施し,熟成中の樽香気成分の移行と品種間差について分析を行った.
【方法】コーヒーはアラビカ種のゲイシャ,ブルボン,イエローブルボンの三種を用いた.熟成試料はウイスキー貯蔵後のオーク樽に入れ,通常保管試料はビニール袋に入れて保管し,およそ7日ごとに回収した.香気成分の捕集は,20mLガラスバイアルに試料約1gとTwister(ゲステル社,PDMS膜層500µL×1cm)を入れ,25℃で1時間吸着させた.樽の香気成分は熟成開始前にTwisterを樽内面に直接触れないよう入れ,1時間吸着させた.その後,加熱脱着GC-MSにて香気成分分析を行った. コーヒー豆外形形質の継時変化を確認するため,重量や体積等を計測した.組織構造を観察するために焙煎し,その断面を走査型電子顕微鏡で観察した.
【結果】樽の香気成分として72種類が検出された. そのうち,ラウリン酸エチルはゲイシャでは熟成開始14日目,ブルボンとイエローブルボンでは7日目でピーク面積値が最大となり,品種によって樽成分の移行に違いがあった.熟成29日目においてイソ吉草酸エチルなどの成分がイエローブルボン種と他2品種でピーク面積値が有意に異なっていた.品種によって外形形質が異なることから,香気成分の捕集と維持に影響したことが示唆された.
また,通常保管試料および樽で検出されなかったフェニル酢酸エチルが,熟成29日で有意に増加しており,熟成過程が付加的な効果をもたらす可能性が示唆された.

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