講演情報

[P158]グラファイトカーボンブラック(GCB)支援–レーザー脱離イオン化質量分析法を用いたバナナ(Musa spp.)組織中の低分子化合物の可視化

*古賀 柚葵1、劉 卓非1、佐世 美帆2、大川 拓樹2、小川 剛伸3、佐藤 いまり4、河野 行雄2,5、松井 利郎1,6、田中 充1,6 (1. 九大院・生資環、2. 神奈川県立産業技術総合研究所、3. 京大院・農、4. 国立情報学研究所、5. 中央大院・理工、6. 九大院・農)
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キーワード:

グラファイトカーボンブラック、質量分析イメージング、食品分析、レーザー脱離イオン化、バナナ

【目的】 食品中の成分の不均一性が食品の風味に大きく影響する一方,従来のLC-MSやGC-MS等の食品分析法では,前処理過程でその分布情報は消失される.当研究室ではこれまでに,従来は困難とされた低分子化合物を一斉検出可能なグラファイトカーボンブラック(GCB)支援–レーザー脱離イオン化-質量分析(LDI-MS)法1)を構築してきた.そこで本研究では,本法をイメージング分析に展開し,食品組織中の成分分布の一斉可視化を試みた.
【方法】市販のバナナ(Musa spp.)の凍結組織切片(10–25 µm)を作製し,ITOコートガラス上に融解接着させ,GCB懸濁液(5 mg/mL in 50% 2-propanol)を均一噴霧・風乾後,LDI-MSイメージングに供した.
【結果】GCB 支援–LDI-MS イメージングによって,バナナ組織切片から糖やアミノ酸などに相当するMSシグナルが検出された.次いで,切片上にスパイクした [13C5, 15N1] グルタミン酸(400 pmol/0.2 µL spot)の検出強度を指標にGCB噴霧条件最適化を試みたところ,噴霧したGCBの光学密度(OD)190–210,ならびに,切片の厚さ14 µmの条件が再現性と感度の両面で最適であることが判明した. その結果,MALDI-MSでは正イオンモードで 19本,負イオンモードで 18本のMSシグナルが検出されたのに対して,本法ではそれぞれ64本,74 本のMSシグナル(50–500 m/z)の検出・可視化を達成した.以上より,本GCB 支援–LDI-MSイメージングは,食品中の低分子化合物の分布の一斉可視化を可能とする画期的な分析法であることが明らかになった.
Tanaka et al.; ACS Appl. Nano Mater., 5, 2187–2194. (2022).

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