講演情報

[2Fp03]一番茶のてん茶の茎部およびその熱水抽出エキスの呈味性・機能性成分の特性評価

*豊泉 友康1、三宅 健司1、酒井 翔太郎1、藤井 拓1,2、九島 祥弘3、勝野 剛1、小林 栄人1 (1. 静岡農林技研 茶研センター、2. 静岡県庁 お茶振興課、3. ChaOIフォーラム事務局)
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キーワード:

製茶副産物、てん茶、遊離アミノ酸類、カテキン類、カフェイン

【目的】
 抹茶の海外需要が伸びている中,原料となるてん茶(葉部)や,その製造時に分別される茎部の生産量が増加している.後者についても,茶生産者から食品等への更なる有効活用が望まれているが,その活用を図る上で素材・加工特性の知見が少ない.
 本研究は,一番茶のてん茶の茎部の素材特性を明らかにするため,茶の呈味に関わる遊離アミノ酸(FAA)類,多彩な健康増進効果を有すカテキン類・没食子酸(GA)・アルカロイド(AE)類・アスコルビン酸(AsA)・抗酸化能を,葉部と比較評価した.更に,茎部の素材特性を活かした食品開発に資する加工特性も明らかするため,熱水抽出温度が異なるエキスを試作し,FAA類・GA・AE類の抽出特性を評価した.
【方法】
 一番茶のてん茶の茎部は,2023年(素材特性用)・2024年(加工特性用)の5月に静岡県内の同一茶工場から回収したものを供した.なお,比較用に葉部も供した.各試料中の6種のFAA類・8種のカテキン類・GA・2種のAE類(カフェイン・テオブロミン)の含量は,HPLC法で測定した.また,AsAは比色法,抗酸化能はDPPH法・H-ORAC法で測定した.茎部の熱水抽出エキスは,茎部1kgを用いて,高温高圧抽出装置で80・120℃熱水で30分抽出し作製した.各試料中の6種のFAA類・GA・2種のAE類の含量もHPLC法で測定した.
【結果】
 一番茶のてん茶の茎部は,葉部と比較して,テアニン・グルタミン・アルギニン・アスパラギン・GAの含量が有意に多かった.また,これら値は,市販の上級煎茶の文献値より多かった.一方,茎部の5種のカテキン類(EGCG等)・カフェイン・AsAの含量は,葉部と比較して有意に少なかった.更に,茎部のDPPH・H-ORAC値は,葉部より有意に低かった.
 80・120℃区のエキスでは,ともに茎部中の4種のFAA類(テアニン等)・GA・カフェインが,それぞれ約100%・80%・80%抽出された.また,テオブロミンのみは抽出されなかった.120℃区では,80℃区と比較して,グルタミンの抽出率が有意に低下し,カフェインの抽出率が有意に増加した.

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