講演情報
[2Hp03]アリイン異性体の同定・定量および黒ニンニク製造における含有量変化
*小倉 立己1、渡辺 雅一2、芦野 祐尋1,3、佐藤 美夢1,3、門脇 里恵1、若山 正隆1,4 (1. 慶應大先端研、2. (株)ジオンジファーム、3. (公財)庄内産振センター、4. 愛媛大医農)
キーワード:
異性体、同軸管定量NMR、キャピラリー電気泳動-質量分析計、精密濃度
【目的】L-(+)-アリイン(S体)はニンニクなどのネギ属植物の独特の香りや辛み成分であるアリシンの前駆体である.一方でアリインには異性体であるL-(-)-アリイン(R体)が存在するが,こちらは機能がほとんど解明されていない.R体の機能を解明するためには定量的な解析が必要だが,試薬としてはS体またはS/R混合体での販売となり、R体の標準品は入手できない.そのため混合体中のR体濃度を定量的に解析できる手法が必要となる.
定量NMR(qNMR)は,物質の構造解析に用いられるNMRの特性を生かしながら定量解析が可能になる分析法である.我々は分析後の溶液を他試験系へと直接再利用可能である同軸管を用いたqNMR法を確立した.本研究では同軸管qNMRによりアリイン試薬中のS体およびR体濃度を定量した.この溶液をCE-MSの定量標準溶液として黒ニンニク製造におけるS体, R体の各含有濃度の変化を解析した.
【方法】S体およびS/R体混合試薬はLKT Labs, Incから購入した.各アリイン試薬をMilli-Q水へと溶解し,50mM溶液となるように調製した.各溶液はφ2.5mm NMR同軸管(SP-403, Shigemi. Co., Ltd.)に充填し,内管にはD2Oに溶解した10mM DSS-d6溶液を充填後に封緘したものを使用し,qNMRによりアリイン溶液中のS体, R体濃度を決定した.濃度決定したS/R体混合溶液を10µMに希釈した溶液を定量標準液とし,異なる温度で製造した黒ニンニク中のS体およびR体濃度の変化をCE-MSにより定量解析した.
【結果】qNMRから,S/R体混合溶液中のS体,R体濃度を定量した結果,それぞれ20.07, 26.07mMだった.この溶液およびS体のCE-MS測定から,R体はS体より1分程度遅く検出されるピークとして同定された.黒ニンニク加工前のS体を定量した結果,2.75mg/gと既報と同等の結果が得られた.また黒ニンニク製造工程におけるS体とR体の濃度変化は異なっていることが確認された.今回のような同軸管qNMRを活用した精密濃度決定は,これまで標準試薬の入手が困難だった物質の定量解析を可能なことを示した.
定量NMR(qNMR)は,物質の構造解析に用いられるNMRの特性を生かしながら定量解析が可能になる分析法である.我々は分析後の溶液を他試験系へと直接再利用可能である同軸管を用いたqNMR法を確立した.本研究では同軸管qNMRによりアリイン試薬中のS体およびR体濃度を定量した.この溶液をCE-MSの定量標準溶液として黒ニンニク製造におけるS体, R体の各含有濃度の変化を解析した.
【方法】S体およびS/R体混合試薬はLKT Labs, Incから購入した.各アリイン試薬をMilli-Q水へと溶解し,50mM溶液となるように調製した.各溶液はφ2.5mm NMR同軸管(SP-403, Shigemi. Co., Ltd.)に充填し,内管にはD2Oに溶解した10mM DSS-d6溶液を充填後に封緘したものを使用し,qNMRによりアリイン溶液中のS体, R体濃度を決定した.濃度決定したS/R体混合溶液を10µMに希釈した溶液を定量標準液とし,異なる温度で製造した黒ニンニク中のS体およびR体濃度の変化をCE-MSにより定量解析した.
【結果】qNMRから,S/R体混合溶液中のS体,R体濃度を定量した結果,それぞれ20.07, 26.07mMだった.この溶液およびS体のCE-MS測定から,R体はS体より1分程度遅く検出されるピークとして同定された.黒ニンニク加工前のS体を定量した結果,2.75mg/gと既報と同等の結果が得られた.また黒ニンニク製造工程におけるS体とR体の濃度変化は異なっていることが確認された.今回のような同軸管qNMRを活用した精密濃度決定は,これまで標準試薬の入手が困難だった物質の定量解析を可能なことを示した.
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