講演情報

[2Jp10]タンニン酸添加による卵白アルブミンの泡沫特性変化の解明

*鳥巣 哲生1、水口 潤哉1、田之上 凌佑1、内山 進1、三木 宏美2、山田 悟史2 (1. 大阪大学大学院工学研究科、2. 高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

タンパク質、泡、質量分析、卵

【目的】泡沫は食品に特有の食感や風味を与える。食品タンパク質の泡沫安定化作用が注目されているが、工業製品への利用を考えた場合、その安定化効果は十分でない場合が多い。そのため、安定化効果を高めるタンパク質の処理方法や添加剤の開発が求められている。ポリフェノール類は健康維持に寄与する生理活性を持つだけでなく、泡沫特性に影響を与えることも報告されている。本研究では、ポリフェノールの一種であるタンニン酸の添加による卵白アルブミン(OVA)溶液の泡沫特性の変化を評価および泡沫特性が変化するメカニズム解明を目的とした。【方法】OVAに様々な濃度でタンニン酸を添加し、起泡性および泡沫特性を評価した。同様の条件で、溶液の物性評価(表面張力、粘度)および蛍光測定によるOVAとタンニン酸の相互作用評価を行った。加えて、水素/重水素交換質量分析(HDX-MS)を用いてOVAの気液界面吸着機構を検討した。また、中性子反射率測定を用いてタンニン酸の添加による気液界面吸着膜の膜厚変化を測定した。【結果】タンニン酸の添加によってOVA溶液の起泡性は低下し、泡沫安定性は向上した。また、タンニン酸の添加が粘度の増加とOVAの表面張力低下効果の抑制に繋がることが明らかとなった。蛍光測定の結果から、タンニン酸がOVAの疎水性部位と相互作用することが示唆されたことから、タンニン酸との相互作用が拡散速度の減少および粘度の増加を引き起こし、ひいては気液界面への吸着速度の低下と泡沫からの排水速度の低下に繋がったと考えられた。さらに、HDX-MSの結果から、タンニン酸の有無でOVAの気液界面への吸着部位および配向性が変わることが示唆された。タンニン酸添加時には、OVA分子の気液界面吸着膜がより厚くなると考えられ、実際に中性子反射率測定の結果からもタンニン酸の濃度依存的に気液界面吸着層が厚くなることが示された。この吸着膜の変化も泡沫安定性の向上に寄与している可能性がある。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン