講演情報

[2Mp11]雪室長期熟成によるチョウザメの魚肉の高付加価値化の検討

*榎 康明1、八巻 慶汰1、大瀧 滉人2、藤村 忍2 (1. (株)プラントフォーム、2. 新潟大・農)
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キーワード:

チョウザメ、雪室、熟成、遊離アミノ酸

【目的】高級食材「キャビア」を目的としたチョウザメの養殖が拡大する一方で,魚肉の利用は限定的であり,その有効活用が課題となっている.チョウザメの魚肉はグルタミン酸を多く含むため,食材としてのポテンシャルは高く,加工による高付加価値化が期待できる.そこで本研究では,チョウザメの魚肉の新たな活用法の提案として生ハムの製造を試み,エコ冷熱エネルギー「雪室」を用いた長期熟成が,チョウザメの魚肉の品質に与える影響を評価した.
【方法】アクアポニックスで養殖されたコチョウザメ成魚を試験に供した.フィレに加工し,20%岩塩水で塩漬けした後,浸透圧脱水シートで脱水し、ドリップシートで包み、ナイロン袋で真空包装して生ハムのブロックを調整した.生ハムのブロックを雪室または冷蔵にて保管し,0(対照区),14,28日間の熟成を行った.熟成後の生ハムについて,一般生菌数,揮発性塩基窒素(VBN),物性,遊離アミノ酸量を測定した.
【結果】一般細菌数は,すべての試験区で生食可能な水準を維持していた.鮮度の指標となるVBNは,雪室条件において,全熟成期間中,新鮮状態が維持されていた.物性は保管条件(雪室,冷蔵)による明確な差異は認められなかったが,熟成期間による変化が顕著であり,特にかたさは14日で最も低く,熟成に伴う筋原線維タンパク質の分解が示唆された.一方,付着性は熟成に伴い増加した.遊離アミノ酸は熟成の進行とともに増加が認められ,うまみ成分であるグルタミン酸は,冷蔵,雪室ともに熟成28日で約4倍に増加した.これらの結果から,雪室熟成は魚肉の鮮度を保持しつつ,呈味性を向上させることが可能であり,チョウザメの魚肉を商品価値の高い加工食品へと展開可能であることが示唆された.

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