講演情報

[P058]美味しい米粉パン製造になぜ野生酵母が必要なのか -野生酵母の発酵特性の解明-

*川嶋 隆之介1、吉田 有希1、森 玲香1、金子 優平2、片山 幸寛3、志水 元亨1、加藤 雅士1 (1. 名城大・院・農、2. (株)花酵母 factory、3. Bakeshop SolSol)
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キーワード:

野生酵母、米粉パン、X 線

[目的]健康志向やアレルギー対策の観点から、グルテンフリー食品が世界的に注目されている。代表的なグルテンフリー食品の一つが米粉パンであり、既に多くの商品が販売されている。米粉パンは小麦パン代替食品としての有用性に加え、我が国の農業の持続可能性や食料安全保障にも貢献できる。しかし、米粉パンは膨らみにくく、パサつくという欠点があり、これを克服する製造技術の開発が求められている。昨年、花から単離した野生酵母「MC87-46」を米粉パンの製造に応用したところ、保水性、香り・食感の高い米粉パンが製造でき、「第2回 おいしい米粉パンコンテスト」で最優秀グランプリを獲得した。そこで本研究では、MC87-46と一般的なパン酵母(以下、パン酵母)を用いて製造した米粉パンの特性について比較した。[方法]MC87-46 とドパン酵母を用いて製造した米粉パンの内部構造を、次世代放射光施設「ナノテラス」の硬X線ビームラインBL09Wを用いて可視化した。また、MC87-46 とパン酵母の代謝産物をGC/MSおよびLC/MSにより分析した。[結果]名城大学付属農場の花(カーネーション)から野生酵母「MC87-46」を単離し、Bakeshop SolSol と共同で米粉パンを製造した。X線CT画像を用いて米粉パンの内部を可視化したところ、パン酵母を用いた米粉パンの気泡と比較して、MC87-46 を用いた米粉パンの気泡は大きく、内部構造や空隙分布に明らかな差異が確認された。MC87-46 を用いた米粉パンのふわふわとした柔らかな食感は、これらの構造の違いによることが明らかとなり、さらにこれらの物性はMC87-46の発酵特性によるものであると示唆された。そこで現在、柔らかな食感をもたらす原因物質を特定するために、MC87-46 とパン酵母の代謝産物のメタボローム解析を進めている。

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