講演情報

[P094]静岡県産低利用食資源を活用した麹菌マイコプロテインの生産検討

*堀池 隼雄1、長房 秀幸1、山本 佳奈恵1、石橋 佳奈1、萩原 大祐2 (1. 静岡県工技研、2. 筑波大・生命環境系)
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キーワード:

麹菌、菌糸体、低利用食資源

【目的】世界的な人口増加に伴い,タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質危機」の発生が危惧されている.動物性タンパク質に代わるタンパク源が求められる中,日本の国菌である麹菌の菌糸体の食用利用を検討する麹菌マイコプロテインは,環境負荷の小ささや,低利用の食品資源等を活用して培養できる可能性などから注目されている1).一方,静岡県の食料品・飲料等出荷額は全国有数であり,多様な低利用食資源が発生することから,菌糸体培養に活用可能な資源について広く検討できると考えた.本発表では,穀物加工品及び茶の低利用画分を活用した培養について報告する.
【方法】穀物加工品の端材から作製した液体画分(穀物端材液)を収集し,原液及び2,4,8倍に希釈したものをオートクレーブした.麹菌(Aspergillus oryzae)の分生子を接種し,30℃で5日間振とう培養した.その後,吸引ろ過を行って菌糸体を回収し,重量を測定した.一部の菌糸体について,GC-MSによる香気成分分析を行い,穀物端材液中の香気成分と比較した.さらに,穀物端材液に茶の生産工程で発生する低利用画分のエキスを5~25%(v/v)添加し,菌糸体の収量への影響を評価した.
【結果】穀物端材液を適宜希釈した,全量200mlの液体中で麹菌を培養したところ,最大約15g(湿潤重量)の菌糸体が得られた.また,培地成分である穀物端材液において検出されたネガティブな香気成分(「ヘプタン酸」と推定)は菌糸体では検出されず,一方「ノナナール」と推定された好ましい香り成分は菌糸体のみで検出された.さらに,茶の低利用画分エキスの添加により,得られる菌糸体の湿潤重量に増加が見られた.以上のことから,静岡県内で発生する低利用食資源を用いた麹菌マイコプロテイン生産の可能性が示唆された.
1)萩原大祐 (2024), 生物工学会誌, 102(8), 402-405.

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