講演情報
[3Ap04]レジスタントスターチ高含有米の加工の違いが粘膜IgA産生に与える影響
*松本 紗耶加1、野口 綾夏1、北村 進一2、松本 健司1 (1. 石川県立大・生資環、2. 大阪公大・研究推進)
キーワード:
レジスタントスターチ、免疫グロブリンA、米、加工法
【目的】レジスタントスターチ(RS)は小腸では消化されずに大腸に届くデンプンであり,その機能性の一つとして粘膜免疫に重要なIgA産生促進作用が報告されている.本研究では日本人の主食である「米」による粘膜免疫強化を目指し,RS高含有米であるWE米をヒトが摂取できる状態の「蒸し」及び「焙煎」加工し,それぞれの摂取が粘膜IgA産生に与える影響についてマウスを用いて明らかにすることを目的とする.【方法】WE米玄米を「蒸し」加工後に凍結乾燥したもの,焙煎したものをそれぞれ粉砕し,実験サンプルとした.サンプルのRS含量を測定し,RS含量が2 %となるようにAIN-93G精製飼料に各サンプルを添加し(蒸し群,焙煎群),Control群及び含有玄米量の調整にRSを含まない蒸し加工したもち米玄米を用いた.BALB/cAJclマウス(8週齢,雄,各群n=7)に各試験飼料を8週間摂取させ,7週目に糞便中細菌数を測定,8週目に2日分の糞を採取し、最終日に解剖を行った.解剖時に腸管内容物,肺,顎下腺,血液を採取した.盲腸内容物は短鎖脂肪酸量,糞便,肺,顎下腺,血液はIgA含量を測定した.【結果】IgA含量は,Control群と比較して蒸し群,焙煎群ともに糞中では有意な増加が見られ,蒸し群よりも焙煎群の方が有意に増加していた.一方で,血漿,肺,顎下腺では各群に差が見られなかった.短鎖脂肪酸量は,Control群に比べ,蒸し群,焙煎群ともに酢酸,酪酸が有意に増加し,プロピオン酸は焙煎のみに増加していた.糞中細菌数はControl群と比較して焙煎群のみ有意な増加がみられた.以上の結果から加工したWE米の摂取により腸管におけるバリア機能の強化が期待できることが明らかになった.一方,同じWE米由来のRSであっても加工の違いにより特性が変化し,腸管IgA誘導能,腸内細菌による資化性が異なると考えられる.
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